【 産まれる瞬間第1話 】 ♡みるくとエンジェル ♡                -14ページ目

■腸重積症

腸重積症とは、腸が腸の中にもぐり込んでしまうトラブル。大人や大きな子どもにも起こりますが、6カ月~2才ぐらいの子どもに多く見られます。いままで元気だった赤ちゃんが急に不機嫌になって泣き出し、顔色が悪くなってグッタリ。しばらくするとまたはげしく泣き始め……という状態を繰り返します。


●発症から24時間以上たつと開腹手術に  
腸の中にもぐり込んだ腸は、どんどん奥に入っていき、自然に元に戻ることはありません。奥に入ってしまった部分は、締めつけられているので、血液が止まり、壊死を起こします(腸が死ぬ)。発見が早ければ、肛門から食塩水や空気で圧力をかけて、もぐり込んだ部分を押し出すことができますが、発症から24時間以上経過してしまうと、開腹手術をすることに。
 手術では、もぐり込んでいる腸を引き出すだけですむ場合と、壊死を起こしている部分を切除してつなぎ合わせる場合があります。後者の場合の手術は大がかりで、2週間ぐらいの入院が必要になります。


原因と経過は?
周期的に泣き、血便が出る

 何の前ぶれもなく、突然起こります。それまで機嫌のよかった赤ちゃんが、突然、火がついたようにはげしく泣き出し、しばらくすると、ぐったりおとなしくなります。どうしたんだろうと思っていると、またはげしく泣き出します。
 泣きやんだときにおなかをさわると、フランクフルトのようなしこりがあるはず。それが腸と腸が重なり合っている部分です。
 腸の中に腸がもぐり込むときに、激痛が走ります。これを繰り返し、腸はどんどん奥に入ってしまうので、周期的にはげしく泣くわけです。
 もぐり込んだ腸に押し戻されるように、ミルクや食べたものを吐き出したり、血のまじった便が出てきます。
 オムツにいちごジャムのような真っ赤な粘血便が出てきたら、一刻の猶予もありません。即、お医者さんに相談してください。忘れずに便のついたオムツを持参のこと。便の出た時間をメモしておくと、診察がスムーズです。

治療は?
24時間を過ぎると手術しない

 一度もぐり込んでしまった腸は、自然に元に戻ることはありません。
 病院では、まず超音波検査やレントゲン透視で、腸のどこが重なっているのかを確認。そして、空気や食塩水を肛門から入れて、腸に圧力をかけ(高圧浣腸)、もぐり込んだ腸を押し戻します。発見が早ければ、多くの場合はこれで治ります。
 ただ発症から24時間以上たっていたり、高圧浣腸で戻らないときやもぐり込んだ腸が三重になっていたりする場合は、手術が必要になります。手術になると10日~2週間の入院が必要になるでしょう。
 開腹して、入り込んだ腸を引き出します。重なって壊死した部分は切り取り、つなぎ合わせます。
 腸重積は2度、3度と再発することがありますが、その場合には、原因を調べてもらいましょう。整復した直後は要注意です。


家でのケアは?
血便が出たら即病院へ

 赤ちゃんが急に不機嫌になったら、だっこしてあやしたり、ミルクを飲ませたり、オムツを確かめるなどしますね。それでも、原因がはっきりしなければ、浣腸をして便を出してみます。便秘が原因ならば、それで機嫌が直るはず。
 でも、腸重積の場合は、そうはいきません。血便が出れば、緊急を要すると思ってください。赤ちゃんがぐったりしているようならば迷わず救急車を呼びましょう。
 退院後は、お医者さんの指示に従いましょう。食事は、重湯やよく煮たおかゆ、クタクタのうどんなど、できるだけ消化のよいものを。母乳やミルクは、ふだんどおりに飲ませても大丈夫です。冷たい飲み物や刺激の強いものは避けます。おふろは長湯は避けますがふだんどおり入って大丈夫です。





■冬の下痢(ロタウイルス性下痢症)

赤ちゃんに起こる下痢は、総称して「乳児下痢症」と呼び、胃腸の炎症から起こります。原因は、ほとんどがウイルス性。その中でも、秋から冬に多いのが、ロタウイルスとSRSV(小型円形ウイルス)による嘔吐下痢症です。

●脱水症状で意識が薄れる
繰り返し吐いて水分を受けつけないのに、下痢まで加わったら、脱水症にならないわけがありません。顔色が青く、ぐったりし始め、大泉門がへこんでいたら危険信号。目がトロンとしてきたら重症で、後遺症を残すことも。赤ちゃんの脱水症は一気に進みます。こうなる前にお医者さんに相談しましょう。

●けいれんを起こす
ロタウイルスが原因で、けいれんを起こす場合があります。その多くは、脳波に異常がなく、後遺症もないのですが、もしけいれんを起こしたら、ただちにお医者さんに連絡し、診察してもらいましょう。


原因と経過は?
嘔吐と下痢が1週間続く

2才ぐらいまでの子どもに多く見られる下痢は、多くの場合、ロタウイルスとSRSVが原因です。ともに感染力が非常に強いので、集団発生しがちです。どちらも冬に感染することが多く、最初は鼻水とせきが少しあって、熱もそれほど高くありません。
 症状としては、突然、はげしい嘔吐と下痢が始まります。嘔吐は約1日、長くても2~3日でおさまります。吐いている間は、ミルクや離乳食を与えても吐くだけですから、無理に食べさせる必要はありません。
 嘔吐よりも下痢は長引き、1才以下の赤ちゃんだと1週間以上続くことも。下痢には粘液や血液、不消化物がまじり、白っぽく、水のような便になってきます。
 嘔吐と下痢が同時に起こるので、脱水状態にならないように気をつけます。唇や皮膚がカサカサになったり、おなかがペチャンコになっていたり、大泉門がへこんでいたら危険信号。こうなる前にお医者さんに相談に行き、点滴などの適切な治療を受けましょう。


治療は?
脱水症状を防ぐ

便は、ウイルス性か細菌性かを判断する決め手になるので、病院に持参してください。ただし、便のついたオムツはビニール袋に入れて密閉し、オムツをさわったあとは、しっかり手洗いを。
 ウイルス性の病気なので、特効薬はありません。治療は脱水症状の手当てとなります。
 お医者さんでは、吐きけ止めや整腸剤、下痢止めの薬が処方されます。これらを飲ませながら、吐きけがおさまるのを待ち、水分を少量ずつ、頻繁に与えます。
 離乳食の場合は、消化のよいものを少しずつ。重湯やよく煮たおかゆ、クタクタのうどんなどがいいでしょう。
 また、吐き続けるときや、ひどい脱水症の場合にはお医者さんで点滴をしてもらったり、入院治療が必要になる場合もあります。


家でのケアは?
少量の水分を頻繁に与える

 水分を少量ずつ、回数を多くして与える工夫をしましょう。まず、ふつうにミルクを与えてみます。すぐに吐くなら、次はスポーツドリンクにかえ、量を半分に。それでダメなら、30~50cc与え、様子を見ます。まだ吐くようならば、おちょこに1杯の量を飲ませて15分間様子を見ます。それでも吐くときには、小さな氷のブロックを作り、一つずつ口に入れてあげます。これは口の中でとけて胃に入るまでに時間がかかるので、一番ゆっくり飲ませるやり方。吐き出す頻度が減ります。
 水分は、白湯、番茶、紅茶、イオン水、それにりんごのしぼり汁など。もちろん、母乳やミルクもOKです。お茶に含まれているタンニン成分には、便を固まらせる働きがあります。柑橘系は下痢を呼ぶので、しばらくはやめましょう。
 下痢がひどいと体力を消耗するので、おふろは避けます。ただし、おしりが真っ赤にかぶれたりするので、シャワーなどでおしりを洗いましょう。ウンチをしたらオムツはすぐに取りかえ、お母さんはよく手を洗うことを心がけてください。





■中耳炎

 夜中などに赤ちゃんが急に大泣き。オムツもミルクも問題ない。でも少し熱があって、耳にふれると痛がるような場合には、中耳炎が疑われます。かかるのは、ほとんどが急性中耳炎。耳だれが出ていないかなどをチェックします。

●難聴の原因に
急性中耳炎を完治させないでほうっておくと、何度も繰り返しかかったり、滲出性中耳炎になる可能性も。滲出性中耳炎は、鼓膜の奥に分泌液がたまる病気で、子どもの難聴の一番の原因です。

●髄膜炎を起こすことも
中耳炎にかかっているのを放置すると、菌がさらに奥に進み、脳をおおっている「髄膜」をおかす場合があります。症状としては、高熱が続き、嘔吐を繰り返します。頭痛があるので、赤ちゃんは不機嫌に。大泉門がパンパンにふくらんでけいれんを起こします。入院治療が必要です。

原因と経過は?

かぜから起こりやすい

ご存じのように鼻、のど、耳はつながっています。かぜをひいて鼻やのどに炎症がある場合(上気道感染症)は、その原因となっている細菌が、耳管を通って中耳に入り込み、中耳炎を起こすのです。
 中耳炎では、うみが中耳にたまり、鼓膜を内側から押すため痛みます。機嫌が悪く泣いたり、寝つきが悪かったり、母乳やミルクの飲みが悪くなったりすることが最初の兆候。そのうちしきりに耳に手を持っていくようになります。病状が進むと鼓膜が破れて耳だれが出てきますが、ここで初めて気づくお母さんが多いようです。
 名前を呼んでも振り向かない(聞こえにくくなっている証拠)など、様子が変だと思ったら、耳を軽く引っ張ってみてください。耳にさわられるのをいやがったり、大泣きするようなら中耳炎だと思って間違いありません。
 また、かぜで熱が長引いているときには、すでに中耳炎を併発している可能性があります。のどが赤くはれていないのに熱が出ている場合も同じ。お医者さんにチェックしてもらいましょう。

治療は?
完全に直るまで通院

小児科ですむ場合と、耳鼻科での治療が必要な場合があります。
 初期の炎症なら、小児科で抗菌薬を処方してもらい、それを飲ませます。ただし、最低でも1~2週間の服用が必要。3~4日で症状が軽くなったからといって、途中で薬をやめてしまうと治りにくくなったり、再発しかねません。難聴の原因でもある滲出性中耳炎を起こす原因にもなります。医師の指示に従って薬を服用すれば、多くの場合はこの治療で治ります。
 耳鼻科に行く必要があるのは、鼓膜が破れて耳だれが出ているとき。耳だれを吸引して、中を消毒しなければなりません。また、痛みが強い場合には、鼓膜を切開してうみを出します。鼓膜は破れても2~3日でふさがりますから、心配はいりません。そのほうが痛みもやわらぎ、治りも早いのです。

家でのケアは?
熱がなければふつうの生活

中耳炎は繰り返しやすい病気です。一度かかったことがある場合には、かぜをひいた際にも、中耳炎を起こしていないか確認してもらいましょう。鼻かぜから中耳炎、というのは意外に多いのです。
 この病気は突然起こるうえに、そのはげしい耳の痛みは大人でも耐えられないほど。夜中に診察してくれる耳鼻科はなくても、小児科で応急処置はできます。すぐにお医者さんに連れて行きましょう。
 鼓膜が破れていない限り、家での特別なケアはありません。抗菌薬を2~3日服用し、熱もなければおふろに入っても大丈夫。ただし、鼓膜が破れたり切開したときには、耳鼻科の先生の指示に従います。
 赤ちゃんの耳の手入れを日常的にする場合は、入り口を綿棒でていねいにふく程度で十分です。赤ちゃんの耳はとてもデリケート。綿棒を奥まで入れると、誤って傷つけてしまうことがあるので気をつけてください。


■細気管支炎

かぜの症状の中でも、はげしいせきを伴うのがこれ。気管支でも、毛細気管支に炎症が起こって粘膜がはれるのです。秋から冬にかけて、寒い時期に起こり、6カ月までの低月齢の赤ちゃんに見られます。たんがたまって息ができなくなるため、重くなると入院治療となります。

●チアノーゼが出る
毛細気管支に炎症が起こると、その部分が細くなったり、詰まったりするので呼吸困難に。ゼーゼー、ヒューヒューと、1分間に60~80回もの浅い呼吸をする場合は、唇の色が紫色になる(チアノーゼ)を起こすこともあります。即、入院治療が必要です。

●まれに死に至ることが
3カ月までの赤ちゃんは、呼吸困難がひどいと、まれに呼吸不全で死に至ることがあります。

●マイコプラズマ肺炎の場合も
とくに夜間、たんのからんだひどいせきが続き、呼吸が苦しそうになるのはクループ症候群やマイコプラズマ肺炎。同じような症状なので、レントゲンを撮って初めて診断がつく場合も少なくありません。治療法が違いますし、病気をきちんと見きわめるためにも、早めにお医者さんに相談してください。

原因と経過は?
せきから呼吸困難に
RSウイルスに感染して起こるもので、病気の始まりは、一見かぜ。熱と鼻水とせきが出たと思ったら、そのうちにはげしくせき込むようになり、数日後にゼーゼーと苦しそうな呼吸を繰り返すようになります。
 せきがひどいのでミルクが飲めません。無理に飲ませようとすると、むせるので注意してください。
 苦しそうな呼吸を繰り返し、小鼻をピクピクさせていたり、あるいはのどの真ん中がペコンとへこんでいませんか。これは呼吸困難を起こしている証拠。すぐにお医者さんへ連れて行き、診察してもらいましょう。
 ふつう、熱はあまり高くなりませんが、38度以上ある場合には、体力の消耗がはげしいので、すぐに入院となります。
 早ければ10日間ぐらいで回復しますが、長引くと1カ月ぐらいせきが止まりません。

治療は?
せきとたんを抑える
ウイルス性の病気ですが、特効薬があります。残念ながら日本では発売されていません。
 病気のごく初期なら、呼吸を楽にするための気管支拡張剤や、たんを切れやすくする去痰剤などの薬が病院で出されます。
 いったんせきが出始めたらなかなか止まらず、ゼンソク発作のように、呼吸が苦しい状態が長く続きます。自宅で看病していると、赤ちゃんはもちろん、お母さんも夜、不安で眠れないでしょう。
 となると、入院治療が必要となります。その場合、呼吸困難によって体が低酸素状態になっていることが多いので、保育器や酸素テントを用いた酸素の補充が行われます。
 また、ミルクが飲めない場合には、脱水を予防するための点滴が行われます。

家でのケアは?
湿度を保ち、タバコ厳禁
体を安静にして、回復を待ちます。せきをやわらげるために、加湿器などを設置して部屋の湿度を保ちましょう。
 加湿器がない場合には、ぬれたバスタオルを赤ちゃんの寝ている部屋にかけておいたり、やかんで湯を沸かしたりするだけでもOKです。部屋の湿度は60%以上を確保するように努めます。
 母乳やミルクが飲めない場合には、一度にたくさん飲ませようとせず、少量ずつ、回数をふやしてみてください。無理は禁物。むせて苦しみます。
 また、ホコリやタバコの煙は、気道を刺激し、症状を悪化させます。ホコリのたまりやすいテレビや棚の上などは、かたくしぼったぞうきんでていねいにふき掃除を。
 タバコは最も避けたいもの。タバコを吸う家庭の赤ちゃんに、この病気が多いことがはっきりわかっています。

■インフルエンザ

 かぜのほとんどは、ウイルス感染によるもの。そのうち、インフルエンザウイルスに感染した場合を「インフルエンザ」と呼んで、かぜとは分けて考えます。突然の高熱で始まることが多く、さまざまな合併症を起こすので油断できません。冬に流行するのも特徴といえます。

●肺炎や細気管支炎を併発

6カ月までの小さな赤ちゃんは、インフルエンザから肺炎や細気管支炎を起こしやすいのです。その2つからは呼吸困難に陥ることがあり、悪化すると命にかかわります。

●急性脳炎や脳症を併発

 脳そのものにウイルスが感染して炎症を起こすのが脳炎で、脳がむくむのが脳症です。
 この2つに加え、ライ症候群(急性脳症の一種)という子どもだけに起こる合併症があります。発症後3~10日で嘔吐、意識障害、けいれんが起こり、肝臓などが侵され、死亡率も高いので注意が必要です。


原因と経過は?
重いかぜの症状が出る

12月上旬~3月の間にかかります。まず、38~40度もの急な発熱に始まり、不機嫌になります。のどの痛みや鼻水、はげしいせき、頭痛や筋肉痛、関節痛など、全身に重いかぜの症状が出ます。
 胃腸炎を起こし、嘔吐、下痢などが加わるでしょう。また、熱は高いのに汗をかかなかったり、ゆっくり眠れない、ミルクの飲みが落ちることなどから、体力を消耗してしまうのです。熱は3~7日間続き、一度下がった熱が、再び出る(2峰性発熱)ことも少なくありません。
 インフルエンザの初期は、かぜと似ていて、診断するのがとてもむずかしいのです。ひとつの目安は、家族や保育園などにインフルエンザにかかっている人がいるかどうかという点。インフルエンザウイルスの潜伏期間は1~2日。感染力が強く速いので、身近な誰かからうつる可能性が非常に高いからです。
 また、インフルエンザは肺炎や気管支炎、中耳炎など、ほかの病気を併発しがち。それをみてもらうためにも、頻繁に相談しましょう。


治療は?
対処療法で回復を待つ

インフルエンザはウイルス性の病気ですが、最近は特効薬がありますので、お医者さんに相談しましょう。できれば流行シーズン前に予防接種でケアをしておきたい病気です。
 かかってしまったら、早めにお医者さんに相談しましょう。基本はとにかく安静にすること。白湯やお茶など水分をたっぷり与え、休ませましょう。
 ただ、あまりに熱が高いと、赤ちゃんはミルクも離乳食もとれず、体力を消耗します。お医者さんの指示で解熱剤(アスピリンではない)を使って熱を下げ、その間に栄養補給をします。ほんの1度程度下げただけでもぐっと楽になるので、平熱にまで落とす必要はありません。
 せきがひどいときには鎮咳剤などで、その症状をやわらげます。細菌による二次感染(それが合併症を起こす)が心配、という場合にのみ抗菌薬を使います。


家でのケアは?
水分補給と安静が基本

熱の出始めは寒けがしますので、部屋を暖め、布団をかけてやります。熱がいったん上がりきったら、薄着にし、布団もタオルケット程度のものにチェンジ。熱の下がり始めは汗をかきますから、こまめに着がえさせましょう。もちろん、熱があるうちは入浴は休み。あまりに汗びっしょりのときは、ぬれタオルで体をふいてやります。
 水分補給に気をつけながら、ミルクは本人が飲める範囲で飲ませます。離乳食はのどごしのよいものを。熱が高くて食欲がまったくない場合は、アイスクリームやプリン、ゼリーなどを与えてみてください。
 あとは安静を心がけて。明るい部屋は落ち着かないので、カーテンなどで薄暗くしておくといいでしょう。部屋の温度は20度ぐらい、湿度は60~70%が適当です。

■5つの病気サイン

機嫌が悪い、よく泣く、飲まない便に異常が……
どうしたんだろうと、赤ちゃんをお医者さんに連れて行く。すると、「そんなに心配しなくても大丈夫」と言われることもあるし、「なぜもっと早く連れてこなかったの」と言われることもある。いったいどっちなのかわからん!!ってなことに悩まないよう、今回、「これだけは知っておくべし」という重大な病気を5つ厳選。その兆候を紹介します。覚えておいてください。


●インフルエンザ
●細気管支炎
●中耳炎
●冬の下痢
●腸重積症

■季節によってかかりやすい病気

一年を通してかかりやすい病気もありますが、夏にはやるプール熱や、冬に流行するインフルエンザなど、季節によって流行のピークがある病気もあります。 どの季節にどんな病気がはやるのかをチェックして、予防対策を。

うつる病気は、集団生活が始まる春がラッシュ!

保育園や幼稚園の入園の時期は、はしかや風疹、水ぼうそうなど、人から人にうつる病気にかかりやすいときでもあります。初めての集団生活、いろいろな病気をもらってくるのはある程度しかたないこと。また、上の子がいる場合は赤ちゃんへの感染も。生活リズムをととのえて乗り切りましょう。

夏は夏かぜと皮膚トラブルが多発

子どもは外遊びが大好きですが、夏の外遊びには注意が必要。子どもは体温調節機能が未熟なので、日射病や熱射病で脱水症を起こしてしまう危険があります。
 また、夏は夜ふかしなどで生活リズムもくずれがちですね。夏かぜという言葉があるように、夏は冬に次いでかぜをひきやすい季節。冬のかぜが主にのどや肺などの呼吸器系をおかすことが多いのに対し、夏かぜのウイルスは、消化器系に影響を及ぼしやすいという傾向があります。代表的な夏かぜには、プールでうつることが多い咽頭結膜熱(プール熱)や、口内炎の痛みがはげしいヘルパンギーナ、手足口病があります。おたふくかぜも夏に小さな流行が見られます。
 また、夏場はあせもやとびひ、水いぼ、虫刺され、日焼け、おむつかぶれなど、皮膚のトラブルが多発します。アトピー性皮膚炎の子には、暑さでかゆみが増し、汗や虫刺されが原因でとびひや水いぼにもなりやすいつらい季節です。


冬はかぜの天下です

「一家全員かぜでダウン」を経験する季節の到来です。冬のかぜの代表といえば、ロタウイルス性下痢症(乳幼児嘔吐下痢症)とインフルエンザ。寒さと乾燥を好むウイルスが活躍し、高熱やひどい下痢、嘔吐などが見られる、感染力が強くて重症になりがちなかぜが流行します。せきや鼻水など、呼吸器系の症状が出るのも冬のかぜの特徴です。
 また、寒さと乾燥によって肌のトラブルも続出。しもやけやあかぎれのほか、アトピー性皮膚炎の子の場合は肌はカサカサになり、アトピーもさらに悪化してしまいがちです。
 このほか、ゴールデンウイークや夏・冬休みの前後に流行するのが溶連菌感染症。幼稚園やレジャー先でもらってくるのが原因のようです。


首を動かす~首のすわりまで

●首もかなりしっして、音のするほうへ顔を向けるように

首が「はっきり」とすわってくるのは、だいたい4~5カ月からですから、まだ先になります。しかし、生まれたころに比べると、グラグラすることがだんだん少なくなって、個人差はありますが、2カ月に入ると、しばらくの間なら縦に抱いたままで姿勢を保てるようになる赤ちゃんも多くなってきます。また、仰向けに寝かせておいて名前を呼ぶと、声のするほうへ顔を向けるようになりますが、これも首がだんだんとしっかりしてきたからです。腹ばいにすると顔と肩を少し持ち上げて、左右を見ることもできるようになってきます。

★首すわりが完成する

赤ちゃんの運動機能は頭に近いところから始まり、首、腕、腰とだんだんに下がっていきます。また、体の中心から末端のほうに向かって進んでいきます。
 一番最初は、まず目でものを追う追視ができるようになります。次に首がすわり、もう少し下におりると、今度は手が前に出るようになります。それからさらに、腰まで自由になると寝返り、おすわりができるようになります。もっと下がって、足のひざまでくると高ばい、そして、つかまり立ちからあんよへと進んでいきます。頭に近いところから始まった運動機能の発達がこのように足まできたら、運動面に関しては一応、一人前になったと言えるわけです。


★首すわりとは、自由に頭を動かせるようになることです

 
まず、赤ちゃんの体の発達を見る最初のチェックポイントの、首すわり。4カ月の末には、90%の赤ちゃんは首すわりが完成しています。立て抱きにしても、もう首がグラグラすることもなく、しっかりと安定しているでしょう。あおむけに寝かせて手を持って引き起こしても、頭はちゃんとついて上がってきます。うつぶせにすれば、両手で肩を支えて、しっかりと頭を上げることもできます。こうなったら首すわりが完成したと言えます。
 首すわりは、赤ちゃんの体の発達を見る最初の大きなチェックポイントになっているため、いつ完成するか気にしているかたも多いようですが、しかし、この「首すわり」については、まだ誤解も多いのです。
 まず、゛首すわり″という言葉です。首すわりと言うと、首がまっすぐ支えられるようになることととらえられがちです。そのため「うちの子は2カ月から首がすわりました」などと言うお母さんもいます。しかし、これはお母さんの早合点。立て抱きにしたときに少しの間赤ちゃんの首がまっすぐになっていることはありますが、それだけで首がすわったとは言えません。
 医学的には、首がすわったと判断するのは、

1)腹ばいにすると頭を持ち上げる。
2)あおむけにして両手を持って引き起こすと首がついてくる。
3)たて抱きにして体を傾けたときに首をまっすぐに保てる。
などの条件を満たしたときです。

 英語では首すわりのことを「ヘッド・コントロール」と言います。つまり、自分の頭を支えられるだけでなく、どんな姿勢をとっても、自由に頭を動かせるようにならないと、ほんとうに首がすわったとは言えないのです。


★首すわりは5カ月いっぱいに完成すれば問題ない

新生児のときから、赤ちゃんは首すわりへ向けての準備をしています。  最初はうつぶせで首をわずかに左右に動かすようになります。次に、少しあごを上げられるようになります。さらに月齢が進むと、あごを上げたままの状態で、自由に首を動かして左右を見ることができるようになります。こうなって初めて首すわりが完成したと言えます。このように首が自由に動かせるようになるのが5カ月ぐらいです。
 保健所の健診などで「首のすわりがおそい」と言われて精密検査に来る赤ちゃんをおおぜいみていますが、その中でほんとうに問題があるのはごくわずか。数パーセントにすぎません。首すわりというのは、保健婦さんでさえも判定に困ってしまう、むずかしいものなのです。
 もし、3~4カ月健診あたりでまだ首がすわってないと言われても、厳密にいえば、5カ月いっぱいぐらいまでに完成すればなんら問題はありません。
 同じ月齢のほかの子ができているのに、うちの子はまだ、なんて心配するお母さんが多いようですが、発達はほかの赤ちゃんとの競争ではありません。無事にできるようになること、すなわち運動機能に問題がないことがたいせつなのです。
 この時期に発達が周りにいる他の赤ちゃんより遅れたからといって、これからなにもかも他人とりおくれるということはありません。お母さんはあまりあせらずに、安心して赤ちゃんの発達を見守ってください。


赤ちゃんの睡眠リズム

●0才児編
~5カ月までに昼夜の区別をつけて。ただし、リズムの乱れを心配しすぎないこと


生物学的に、人間はもともと1日をおよそ25時間で生活する生理を持っていることをご存知ですか。でも一般的な社会生活は24時間周期。だから大人でも、自然の生理にまかせていると、だんだん夜型へ後ろへと移り、社会のリズムとずれてくるのです。現代人では、夜が快適ですから、よけいにその傾向が顕著といえるでしょう。
 さて、赤ちゃんの場合はどうすればよいか。生まれたばかりの赤ちゃんは、一日に何回も短い眠りを繰り返します。それがだんだん一回の睡眠時間がまとまってきて、「眠る」時間帯と「起きている」時間帯が決まってくるのが0才台、それも生後すぐから5カ月ごろまでです。1日24時間周期の生活リズムの基本形を、この時期、意識的に作ってあげましょう。昼間は、周囲を暗くしないこと。なるべく話しかけたり体を動かしたりすること。昼寝を長くさせすぎないこと。昼は活動するのだと体に覚えさせるのです。

●0~3カ月ちゃんのねんねの気がかり

Q.やっぱりうつぶせ寝はだめ?

A.自分で寝返ってしまう場合は、時々様子を見てあげましょう。うつぶせ寝は「頭の形がよくなる」などと言われてはやったこともありますが、親が積極的にさせるのはおすすめできません。乳幼児突然死症候群(SIDS)の死亡例を見てみると、うつぶせ寝にしていた赤ちゃんのほうが多かったという統計が出ています。やはり避けるほうが無難かもしれません。

Q.おしゃぶりってくせになるのかしら?

A.くせになることはないでしょう。よく泣きやませるためにおしゃぶりをくわえさせるお母さんがいますが、それはいいと思いますよ。赤ちゃんは口でくわえたりなめたりすることで、それが何かを確認する習性を持っており、何かをくわえさせると、安心して泣きやむのです。


Q.同じ向きに寝て頭の形がいびつなんだけど


A.乳児期にいびつでも、この時期の頭の骨はやわらかいので、脳の発達とともに頭も丸くなっていきます。ですから、あまり心配する必要はありません。どうしても気になるなら寝る向きを変えてあげて。赤ちゃんは明るい窓側などの方向を向いて寝ることが多いので、前日と逆向きに寝かせれば、反対側を向いて寝てくれるかもしれません。ドーナツ枕は効く子と効かない子がいるようですが、試してみてはいかがでしょうか。


Q.寝てる間に寝言を言ったりニコッとするのはなぜ?

A.寝言や表情の変化などは、すべて何らかの外界の刺激に対する赤ちゃんの反応と考えてよいでしょう。この反応は、赤ちゃんならだれでも持っていて、脳の発達によいものです。